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「昼寝が長い人ほど死亡リスクが高い」は本当か?——活動量計が明かした"危険な昼寝"のパターン

2026-05-217

外来で高齢の患者さんと話していると、「昼寝がやめられなくて」という声をよく聞きます。午前中のうちにうとうとして、気づいたら1時間以上寝ていた——そんな経験、ご本人だけでなくご家族からも相談されることがあります。

昼寝そのものは自然なことです。でも、「どのくらいの長さ」「1日に何回」「何時に」寝ているかによって、健康への影響がまったく違うとしたら?

今回ご紹介するのは、2026年4月にJAMA Network Openに掲載されたGaoらの研究です [1]。従来の昼寝研究とは決定的に異なる点があります。それは、アンケートではなく活動量計(アクチグラフィ)による客観的な測定を行った点です。


この研究が画期的な理由

これまでの昼寝と死亡リスクの研究は、ほぼすべてが自己申告に頼っていました。「普段、昼寝をしますか?」「何分くらいですか?」という質問への回答です。

しかし、自己申告には大きな問題があります。高齢者の方は自分がどのくらい寝ていたか正確に把握できないことが多く、「ちょっとうとうとしただけ」が実際には1時間を超えていることも珍しくありません。

Gaoらは、米国のRush Memory and Aging Projectという大規模な地域住民コホート研究のデータを使いました。参加者1,338名(平均年齢81.4歳、76%が女性)に、平均9.6日間にわたって手首に活動量計を装着してもらい、午前9時から午後7時までの間の睡眠——つまり昼寝——を客観的に記録したのです。

そして平均8.3年間追跡した結果、参加者の69.2%にあたる926名が亡くなりました。


何がわかったか——3つの重要な発見

高齢者の昼寝パターンと全死亡リスク

年齢、性別、教育歴、BMI、夜間の睡眠時間、身体活動量、うつ症状、心血管疾患・糖尿病の既往など、多くの交絡因子を調整した上での結果です。

発見1: 昼寝が長いほど死亡リスクが上がる

昼寝の合計時間が1時間長くなるごとに、全死亡リスクが13%上昇しました(調整ハザード比 1.13、95%信頼区間 1.04–1.23、P=.005)。

わかりやすく言えば、毎日の昼寝が1時間長い人は、短い人と比べて追跡期間中に亡くなるリスクが13%高かったということです。

発見2: 昼寝の回数が多いほどリスクが上がる

1日あたりの昼寝が1回増えるごとに、死亡リスクが7%上昇しました(調整ハザード比 1.07、95%信頼区間 1.02–1.13、P=.003)。1日に何度もうとうとする人は、1回だけの人より要注意です。

発見3: 午前中の昼寝は特に危険

これが最も興味深い発見です。午前中に昼寝をする人は、午後早い時間帯に昼寝をする人と比べて、死亡リスクが30%高いことがわかりました(調整ハザード比 1.30、95%信頼区間 1.03–1.64、P=.03)。

一方で、日によって昼寝の長さがばらつくこと自体は、死亡リスクとは関連しませんでした(調整ハザード比 1.01、P=.93)。


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